この作品は、冬の街を舞台に、寒さの中に息づくエネルギーや人々の営みを大胆に描き出しています。黒く塗りつぶされた夜空には、無数の白いタッチが舞い、雪が静かに降り続く情景が詩的に表現されています。注目すべきは、街を彩るネオンや看板の色づかい。寒色と暖色が交錯しながら、まるで街そのものが光を放っているように感じられます。中景には走る車や道、そして歩道の様子が描かれ、それぞれがリズムをもって配置されており、作品全体に「動き」と「音」を想起させます。タッチは荒々しくも力強く、夜の静寂さと街の躍動を同時に伝えています。抽象と具象の境界を巧みに行き来しながら、描き手の感性が真っすぐに表れた、非常にエモーショナルな作品です。「冬の街」と聞いて思い浮かぶ静けさだけでなく、その裏にある生命の温度を感じさせてくれる一枚です。
アーティストプロフィール








