私には、今では老後ですが、温かい両親がいます。私と父、私と母、時には些細な事で喧嘩をしますが、次の日にはお互いに忘れています。私は障がいを抱えておりますが、そんな両親の愛情を一身に受けて育てられたと思っております。中でも母から受けた愛は深いものがありました。 母の愛は私が己に障がいを持っていると知らずに大学まで進学し、遂に大学4年で倒れた時、翌日、東京の真ん中に雪国から駆けつけてくれた事を今でも覚えております。母は今では膝が人工関節ですが、駆けつけてくれた時はまだ内反膝が特徴だったので、私はそれを「誇りのガニ股」と今でも心に刻んでいます。 あれから、20年。アートで少しは飯が食べられる様になった自分ですが、まだまだ、そんな母の苦労に報いてない様な気がします。大事な祖母、大事な伯父、大事な人がまた一人一人と亡くなっていく現実にあって、無限な存在はないとはわかっております。そんな有限な時間軸にあって、今自分が何を果たすべきか、成すべきか。本作品は、僕が母に対しての感謝の気持ちを表現した作品になります。