見上げる青のなかに、ぽっかりと穿たれた空白がある。本来ならば強固に建物を支えているはずの太い柱が、途中で無残に断裂し、宙に浮いたまま止まっている。一見すると決定的な破壊の瞬間でありながら、同時に奇妙な静寂を保っている。完全に崩れ落ちるわけでもなく、かといって元に戻ることもできない。その「壊れたまま耐えている」不自然なバランスが、どうしても他人事とは思えず、気づけば私は通る度に何度もカメラのレンズを向けていた。この柱の姿は、私自身の内面そのものだ。社会の中で「平気な顔」をして自立を装いながらも、心の中の一本の柱はとうに折れ、かろうじて周囲の構造に引っかかることで形を保っている。いつ決定的な崩壊が訪れるか分からない恐怖と、それでもまだ持ちこたえているという、生への微かな執着。この写真は、単なる建築物の破損の記録ではない。崩壊の予感に怯えながらも、辛うじて踏みとどまり続けている、私たちの「いま」という瞬間を切り取った、静かな告白である。
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