聞こえぬ筈の、”内なるあの御方”の声がする。「わら ひかりみうるすべに あかるしゃから、よやひとのろんに うつつぬかすな(わたくしは幸福に生きる術を 知っているから、世の論述や他人の論述にあまりうつつを抜かすな)。 わらにゆだね、わらにめめめをかし、してなりためや(わたくしに身をゆだね、わたくしに左右の目と第三の目を預け、そしてわたくしに成り給えよ)。このわら、せいてんめどぅいんみやびのもとに (このワタクシ、青天目堂院雅に)。そなたもまたしかり。ひとには めどうみやびと のベためや(あなたの名もそうだ、人前で は目堂雅と名乗るがよい)」そう仰せられると、”あの御方”は ワタクシに次の呪文を授けた。 モンムウオアエイン キラナキリエキレイ キラナキリエキレイ アオサカシカミ シュウニャ リンネノキオクヨリ メザメ ケンゲンセヨ 「こら こなたちにかきためや(これら(の文)を現世の地に書き給えよ)」その御言葉どおりにこのまじないを ためしにカンバスに描いてみたところ、 なんと”あの御方”の姿が現れたのだ。 このまじないは 内にいる筈の”あの御方”を この世に呼び寄せるものだった…