作品
 
作品のタイトル

巻き戻る記憶、光の断片

作品のタイトル(ふりがな)
まきもどるきおく、ひかりのだんぺん
作者
作者(ふりがな)
ゆきひろ さとう
制作時期
2025年8月
作品種別
写真作品
使用画材
【OS】Mac
作品画像サイズ(縦)
3435
作品画像サイズ(横)
5714
作品画像解像度
350
タグ
現実,非現実,屋外,自然,山,空,過去,現在,春,夏,秋,冬,赤,黄色,緑,水色,青,白,黒,人物,植物,静物,想像上の生き物,風景,記号,男性,大人,おじいさん,明るい,たのしい,わくわく,どきどき,びっくり
作品の商用利用
 

亡き祖父の手に馴染んだカメラは、いまや巻き上げが思うようにいかず、幾重にも光景が重なって記録される。失敗のはずだった写真は、時の流れと記憶の断片を、予期せぬかたちで一枚のフィルムに映し出した。それはきっと、祖父と私の存在そのものだ。 亡き祖父は、一度きりのシャッターの重みを知っていた。私はそのカメラを受け継ぎながら、彼と自分の時間が重なる瞬間を探している。多重露光のなかに現れる畑や空、山並みは、祖父の過ごした日々と、今この場所に立つ私の記憶が偶然に交わる「半分の世界」だ。 巻き戻りきらない記憶のなかで、彼と私は通り過ぎる風景に溶け合ってゆく。「偶然の軌跡」に導かれて、私の手のひらは祖父の温もりと共にあり、「光の断片」は二人の人生を静かに写し続ける。失敗写真が語るのは、受け継いだ想いと、二人の交差する奇跡の瞬間なのです。

アーティストプロフィール

Yukihiro Sato(1980)

北海道
精神疾患とアルコール依存性で身も心も壊れてしまった。大切なものもたくさん失ってしまった。しかし、写真を撮るという行為だけは、私の壊れていない部分として残った。