カメラ内のデータを吸い上げると、時々、撮った覚えのない画像や動画が紛れ込んでいます。自分の意志で撮ったわけではないのに、そこにはひどく生々しい一瞬が残されている場合があります。北海道弁で言うところの「押ささる」というやつです。押したつもりはないのに、「自然と押してしまった」「押されてしまった」という、自分の意志を超えて、不可抗力でそうなってしまったというニュアンスです。どうやら、転んだ反動でRECボタンが押ささってしまったようです。指をシャッターやRECボタンに置いて歩く癖が、時に意図せず、自然と、仕方のない記録を生み出します。激しく乱れる景色や、雪の付いた衣服。それらは僕の意志を超えた贈り物のように、カメラの中で静かに息づいています。そこには完璧な構図などありません。ただの失敗の断片に過ぎません。しかし、自分の意志から離れた場所にある瞬間を楽しむのも、決して悪くはないものです。
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