作品
 
作品のタイトル

矯正視力0.7

作品のタイトル(ふりがな)
きょうせいしりょく0.7
作者
作者(ふりがな)
ゆきひろ さとう
制作時期
2025年9月頃
作品種別
写真作品
使用画材
【OS】Mac
作品画像サイズ(縦)
4332
作品画像サイズ(横)
6498
作品画像解像度
240
タグ
現実,非現実,屋内,屋外,地下,過去,現在,未来,春,夏,秋,冬,1月,2月,3月,4月,5月,6月,7月,8月,9月,10月,11月,12月,赤,オレンジ,黄色,緑,水色,青,紫,白,黒,人物,静物,風景,記号,男性,大人,明るい,たのしい,わくわく,どきどき,忙しい,びっくり,ホラー
作品の商用利用
 

視力0.7は普通自動車運転免許の取得に必要とされる最低限の視力であり、学校の教室なら、一番後ろの席から、かろうじて黒板の文字を判別できる境界線。一山眼鏡(いちやまめがね)を購入した。鼻梁に直接かかるその構造は、レンズを通して得られる矯正視界と、何の補正もない裸眼の視界を同時に存在させる。この眼鏡は、私の視界を二つの異なる世界に引き裂いた。レンズの上部に広がるのは、近視のままの裸眼がとらえる曖昧模糊とした世界。輪郭すら定まらず、ほとんど何も見えないその領域は、日常の機能性を拒み、根源的な不安を掻き立てる。それは「見えないことへの恐怖」そのものであり、私の存在の不確かさを告げている。一方、レンズの下に広がるのは、矯正視力0.7が形づくる秩序の世界。社会的な機能性を保証する最低限の境界線であり、集団の中で世界を判別できるとされる、ぎりぎりの視界である。しかし、この「見えることの安堵」は長くは続かない。その先にある、より鮮明な真実を求められる場面では、この視覚は真実をとらえきれない「見せかけの認識」として、その欺瞞をさらけ出す。「見えないことの恐怖」と「見えすぎることへの不安」。二つの視界のずれは、「見るべきもの」と「見えているもの」のあいだに潜む、認識の不確かさを鋭く突きつける。

アーティストプロフィール

Yukihiro Sato(1980)

北海道
精神疾患とアルコール依存性で身も心も壊れてしまった。大切なものもたくさん失ってしまった。しかし、写真を撮るという行為だけは、私の壊れていない部分として残った。