子どもの頃には、葉の生い茂る暗い森の道なき道を恐れながらもずんずんと、木を分け草を分け進んでいったものでした。どこにゆくでもなく何かを探すわけでもなく、先に待ち受ける未知に向かってただ進んでいきました。大人になると、進むことができません。恐れを知らなければ先にある危険を避けられない。安全であるには立ち止まっているのが一番いいし、元のところに戻ればもっといい。だけど子どものように、恐れながらもそれ以上の高揚に胸を躍らせて歩まなければ、見えない景色や味わえない香りがあるだろうと思います。とんでもない目に遭うことも、何にもなくてガッカリすることもあるでしょうけれど、どこまでもいってみなければわからない。どれだけ挫けたって、また立って、どこまでも進んでいった幼き私のように、今は身体ばかりが大きくなってしまったけれど、また大きな勇気と期待を胸に、ずんずん歩んでいきたいです。